Last Updated on 2025年2月11日 by 成田滋
2023年度にうつ病などの精神疾患で休職した教員は初めて7000人を超えて過去最多となったことが文部科学省の調査で分かりました。このうちの20%の1430人が2024度4月までに退職しました。それについて気になることが三つある。第1は40代、50代の教員で70%を占めということである。第2は休職時に在籍していた学校での勤務年数は2年未満が45%を占めるというのだ。そして第3は病気休職に至らないが、有給休暇を使って欠勤する教師も多ことが容易に推測できることである。診療内科に通い続けながら勤務する教師もたくさんいるときく。
第1の40代、50代の教員に悩む者が多いというのは、通俗的に考えれば管理職、あるいはそれに準じる役割や責任が重くなっているからだろう。当然ながら、専門性に基づく精神的なタフさが要求されるはずだが、それが欠けているとすれば、教員の資質に課題があると考えられる。管理職は、学校経営や学内の人事、そして保護者からの不服申し立てなどについて、大学院レベルでの専門性を身につけていなかったことに原因がある。教育委員会の管理職試験で勉強しても役立たないのである。
第2の異動した後のは2年未満の教師が病むという現象である。これは少々奇異な現象である。文科省は「異動後に職場になじめず、相談相手が見つかりにくいことが背景にあるようだ」などと説明している。筆者には虚ろで月並みなコメントに響く。しかし、これが事実とすれば学校という組織や人間関係に問題があるということだ。学校は等質な集団であり、そこに長く居座る教師が牛耳るというのはよく聞くことである。こうした古狸の教師の発言に周りが迎合せざるをえない。一家言を持つ教師は、結局いびられるか潰されることになる。
第3の有給休暇を使って欠勤する教師である。職場では、休職扱いというのは周りから理不尽な目で見られる、人事考課で不利になるといった背景もある。学会などの研究集会での発表で出掛けることですら、管理職は有給休暇を使ってでかけるように仕向ける。教師にとって発表や投稿は、自分達の実践を披瀝し、フィードバックを貰う貴重な時間であるはずだ。普段の指導をまとめて、自分なりに分析し、その成果を分かち合うのは大事である。そのような機会ですら今の学校風土では、白い目でみられるのである。これが一つの根本的な病原である。
教師の心の病は今始まった問題ではない。長く醸成された学校という体質に起因するのだ。心の病はなるべくしてなっていると断言できる。そこで対策である。これまで言われている様々な提言では、心の病を癒す効果は少ないという前提から、少々破天荒で現実離れしているが真面目に考えた対策を次稿で提案する。

教員の移動のサイクルはどらくらいが適当なのでしょう?
心の病から復帰してきた教員にとって本当にいやすい場所は、どこなのか?
ケースバイケースなのに、一律に決め過ぎている気がします…
教師の移動については教育委員会によって内規のようなものがあります。教師の経験年数、移動希望、学校の人事などを吟味して移動が決められるはずです。かつて京都の特別支援学校校長から、市内の学校から移動希望者を募り、その中から、学校、特に校長が指名して招くという仕組みの事をききました。
友人の教師から、せっかく大学院で学んだのに、それを活かす職務や責任が与えられないという話はよくききます。それととても管理職に務まりようがない教師が昇進したという話もあります。教育委員会と縁故があったというルサンチマン、妬みの声です。この管理職になった者を私もよく覚えております。
それで思い出すのは、アメリカの大学フットボール選手の大学間移動のことです。転校の意思のある選手が移動届け(トランスファーポータル)をだします。このポータルに登録することで、それが公表されて他チームのコーチがその選手にコンタクトすることが認められる仕組みです。選手の転校希望の理由は、自分の才能が認められていない、コーチから出場の機会が与えられない、本当はもっとプレイしたい、などの理由だそうです。
教師の移動は、確かにケースバイケースです。本人と学校が納得のいく移動の仕組みはないといってよいでしょう。ただ、心の病から復帰してきた教師を、安易に特別支援学校とか通級学級に移すなどの措置は辞めて貰いたいです。
ChatGPTに教員の移動のサイクルはどのくらいが適当か、と聞いてみました。次のような回答です。
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教員の移動のサイクルについては、地域や学校の方針、教育委員会の規定などによって異なりますが、一般的には3年から5年ごとに移動することが多いとされています。このサイクルは、教員が新しい環境での経験を積むことや、教育の質を向上させるために重要とされています。
ただし、特に専門性が求められる教科や、地域のニーズに応じて、長期間同じ学校に留まることが望ましい場合もあります。最終的には、教育現場の状況や教員のキャリアプランに応じて柔軟に考えることが重要です。